2017年7月28日金曜日

非人間的な町や国であってほしいとこころの底から思う


  
ほんとうのことをいえば
イヤだな
と思う
人間的な町や
国は

事務的で
けれど
完全に公平で
そんな
非人間的な町や
国であってほしいと
こころの底から
思う

親しさに
すぐ差が出たり
笑顔の配分が不公平だったり
なにかといえば
小さな仲間ができて
そこに
入りやすい人と
入りにくい人の差が
すぐ
平然とできてしまうような
そんな町や
国は
イヤだなと
思う

マニュアルどおりの
いらっしゃいませ
ありがとうございます
お包みしますか
レシートはご要りようですか
そんな
コンビニ店員の言葉に
ホッと
救われる気になるのは
ぼくだけ
なのかしら?



だから さようなら と言う必要もない


 
ひとを静かにさせるような
芸術作品は
みな
世界へのわかれの表現

じぶんが世界の外に居続けたのか
それとも
少しは世界の中だったのか
世界に参加したのか
世界そのものだったのか

そんなことの
最期の確認

辞世
でないような
芸術というものは
ない

ぼくのことについて
ちょっと言えば
たったの
一度も
世界に参加したことはない

この地上世界は
どんな時も
ぼくには
他人の祭だった

だから
さようなら
言う必要もない

一度も
会ったことさえ
なかったから

存在したことなど
なかったし

いまも
存在
していないから



ところがそうしてみると



不平不満を言い続ける人たちといると
だれでも
すぐ感染してしまう

まるで
あらたな不平不満を見つけることが
アタマのよさの
証であるかのように
より確かに
つよく生きている
確認であるかのように
感じるようになってきてしまう

不平不満を見つけたり
言うのなら
ぼくだってだれにも負けないが

すぐそこの空を行く
あれらの雲をまずは見つめてみることや
二の腕から
うなじをいま滑っていく
なんともイイ気持ちの空気の流れを
まずは味わってみてから
言うことにしている

ところが
そうしてみると
雲も
空気の流れも
なかなか
絶えることがなくってね

そこに
うまい水だの
いくつもの思い出の
えもいわれぬ複合の妙だのが
ひょいと
仲間入りしてきたりもして



どこよりも夏なところへ


 
青いペンが
ほら
あんな遠くの沖まで
泳いでいってしまっている

夏だ

赤いペンはどうしたろう?

(山に行っただ…
(山に行っただ…

きっと
渓流まではまだ着かず
どこかの
小川の
でも
けっこう急流のせせらぎで
小さな缶ジュースなんか冷やして
汗を拭っていたり
してるぞ

ぼくらもそろそろ
この浜を離れて
青ペンなんか
あの沖に放っておいて
行こうか

どこか
どこよりも
夏な
ところへ



2017年7月27日木曜日

のきのき しのしの



電気コードがいっぱいのたくっている頃
娘は脚を六本持とうとしていた

              雪辱だ!と叫んで
押入れがわたしの耳の穴に
隠れようとしたので
ホノルルにずっと居続けることに

ミントの株がまだまだ
広がり切らない
おさまらない
ノーメンクライ ラーメンクライ

ヤシの木がゆらゆら
それでも安楽な気持ちは戻ってこないから
わたしは安楽百合子を電話で呼びつけて
先月のベストテンに入った
ポップス《ゆらゆら》を歌わせている

のきのき ヤシの木
しのしの ヤシの木

当面のケツロンはいつもあっけないほど突然

のきのき
しのしの



間違ったとしても敵だったから


  
ふいにしばらくが戻って
また
前進して 躊躇
停滞はもう飽きたでしョと染み透る
ずいぶん透明の液体の風が
ぴかぴかの
三食パンを飲みくだして
若き日の
最後の
真夏
緑青びったりの
それはそれでキレイな銅のお皿に
ライチとソルダムを乗せて
湖 (あ!またです。湖!)

レインボー鑑賞券は半券をお持ち下さい。
湖ですから。

…後で飲むカクテル、なにに
しょッかな?

        重いカバンだ、森だ、抜けるのに

栓抜きがいつまでも気にかかっている
銀の髪の少年を
いちおう殺してしまった

敵だったから

間違ったとしても
敵だったから




えのころ草の穂 二本 それが


 
円盤はひっきりなし あさぎ色の
小さなノートに

    (ぎっしり)

秘密を書き込んで あまり秘密でもない浜へ

(足跡つけずに …つけたら、消して)

孤独―っ!

えのころ草の穂 二本 
それがしばらくは
友だちさ

はるかなプラスチックの笛 
…なくしちゃったから

円錐形もひっきりなし だろうか
悪魔だものねぇ

ねぇ

   …ありがとう
   おごってくれたスコーン
   おいしかったよ

終わりが近いからさ 
  
  はじまりが
  続かない時って
  あるのかな

  いちばん知りたい そこ

えのころ草の穂 二本 
それがしばらくは
友だちさ



ちょいと 載せる


  
春 ぼくとあたしはもう一度結婚して
たわむれの人生に 麦藁とクローバーの冠を
ちょいと 載せる

その載せ方がむずかしいみたいだけど 
ここでは もう考えないでおく ふりかけを
湿らせちゃうし 

ヴェネスィアングラスの けっこう重たいのを
貰っちゃって 手が塞がっている冬 まだ
夏も終わっていないのに 鮒が一尾 ひょろひょろ

デジタルな女 ミネモスの峠を急いで
さぁ 次々とジューンブライドなサボテンの群
とあ とあ とあ ぼく とあ たし

枯れ切ったプラタナスの葉が 硬い音させて
笑っているのか 泣いているのか
鍵盤もようやく小麦色の  バルカローレ掛けて

ね 春 
麦藁とクローバーはもう一度結婚して
たわむれの車両故障に ぼくとわたしの冠を

ちょいと 載せる



スイカの畑をだ


  
飽きるひと ぼくは
雲も

うぐいす豆 硬質な光沢の するり
とろけ落ちるような

   青に飢えている子よ

よ よ よ よ よ よ よ よ 旗を持てよ

不名で あゝ ひまわり!
海老名で あゝ イチゴ牛乳!

したいことピッタリ見つけるのむずかしいよね

夜明けだ、もう

高速道路のアスファルトの上に ぜんぜん
来ないもんだから

横たわってみちゃった

この夏の
これがぼくの最大の冒険

突っ切っていくぞ

スイカの畑を



あのブルーのひかり



ブルーの
ひかり 

すこし 遠くで 
よわくなく
つよくなく

はっきり ブルー たましいの
よう もし 
つよい太陽の下の真っ青な
海 
のよう
言わないで
おくなら

金魚たちは
たぶん
宙を 
それも 草っぱらの
上を 
どこまでも 
泳いでいくのが
好きなのだ

(つよい と書く時
( 近ごろ 
(漢字 使うの
(やんなっちゃった

大げさな 物言い
する
時代に
なっちゃったね

ブルーの
   ひかり
  に
導かれて

なんて

言いたがる人 きっと
いっぱい
出てくるよ

ごそごそ
 あとから
    あとから

でも
 見えている
だけだ

あれは

あれ

あの

ブルーの
ひかり




2017年7月23日日曜日

それだけでよい



物をたくさん持ちたいという落とし穴には
もう
ハマらないで済むようになっている

おゝ、神よ
ありがとうございます

たくさんの物を
処分しなければいけない機会に
なんどか
恵まれたから

おゝ、神よ
ありがとうございます

ひとつひとつ
つぶさに
よく見てみれば
あれも役に立ちそう
これも貴重
それも珍しい
そういったものを
いくつもの部屋いっぱい分
処分しなければ
ならなくなったことが
あったから

おゝ、神よ
ありがとうございます

そんな経験の後では
物は時間にしか
見えなくなってしまった

おゝ、神よ
ありがとうございます

物は時間
奪われていく時間
物を作るのにも
時間はふんだんに要るが
物を手に取り
味わい
評価し
用いるのに費やす時間は
これもまた
とほうもない量

まだまだ使えるものも
だれかの手に渡れば
ずいぶん価値があるだろう物も
もう
残酷なまでに
捨て去るようになっている

おゝ、神よ
ありがとうございます

使えば
新たな時間を奪われるから
だれかに渡そうとすれば
また
厖大な時間が奪われるから
お金もかかるから
手に取っただれかも
時間を奪われていくから

地上で
最低限生き延びていくだけの
物がいくつか
あるだけで
いい
ほんとうに

おゝ、神よ
ありがとうございます

空のめぐり
水の流れ
風の絶えざる変化
天候の変化
四季のうつりかわり
それらを感じ続け
感じたことを
こころや体の底へ
すみずみへ
散らして
染み込ませて
見えなくさせていくだけで
人間はよい

おゝ、神よ
ありがとうございます

巨大な宇宙のめぐりと
生成と崩壊のくりかえしの中で
いずれ消え去る
太陽系や銀河系の中の
小さな不安定な星の
つかの間の環境のなかに
さらにつかの間
意識を持ったわたしには
それだけで
よい

おゝ、神よ
ありがとうございます



どの瞬間も



どの瞬間も
その瞬間の旬なので
その瞬間のいのちの頂点だから
生きのがすわけに
いかない

つかれた時にさえ
他の時には味わえない
つかれの旬があり
うんざりしている時にさえ
その時だけの
うんざりの
旬がある

それらを
どう遇したかで
生の質は
決まる

つかれや
うんざりを
味わいある珍味に
できているか
どうか

だれにも見えない
わからない
じぶんだけの
いのちの
楽しみ



2017年7月22日土曜日

「政治なんてシンボルになることだけやりゃいいのよ」



日本橋の上の高速
地下に隠したいというわけか…

数千億円かけて
2.9キロの区間を地下化したいというわけか…

4000億から5000億円かかると
赤旗は書いているらしいが…

PAC3ならひとつ100億円
F35なら1機150億円ぐらいだったかな…

保育士の給料の5万円引き上げ
財源がないから
政府はやらないといっていたようだが
必要な財源は
2800億円だったかな…

東京の税金をグンと値上げして
勝手に都内で賄えよ
っていう話になるのは
もっともな考えだとは思うけれど…

「政治なんてシンボルになることだけやりゃいいのよ」
とか
なんとか
あの知事さんは
言っているらしいけれども…