日々の健康のための体操はいろいろあれど
ストロベリーソングオーケストラによる
テラヤマ修司体操は
余の偏愛してやまぬ体操である
https://www.youtube.com/watch?
セリフというか
カケコトバというか
ラジオ体操のメロディーをマイナー調にしたものに添わせる言葉は
寺山修司の歌集『田園に死す』 (1965)から採られており
それが
内容とみごと不調和して
声調高くはっきりと発音されていて
かなしく
わびしく
たのしい
寺山修司の短歌は
初期の『空には本』(1958)を中心とする
アイロニーに溢れつつも
明るさと夢と幻滅と諦念の交錯する
晴朗かつカラフルな解放感の伴われた作品群こそ
時代を超えて愛され続けていく
とは思うものの
『田園に死す』のあのおぞましさや暗さや虚無への傾斜は
令和の現代に至って
意想外に同時代性を増してきている気がする
大工町寺町米町仏町老母買ふ町あらずやつばめよ
新しき仏壇買ひに行きしまま行方不明のおとうとと鳥
地平線縫ひ閉ぢむため針箱に姉がかくしておきし絹針
売りにゆく柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯野ゆくとき
間引かれしゆゑに一生欠席する学校地獄のおとうとの椅子
かくれんぼの鬼とかれざるまま老いて誰をさがしにくる村祭
生命線ひそかに変へむためにわが抽出しにある一本の釘
たった一つの嫁入道具の仏壇を義眼のうつるまで磨くなり
売られたる夜の冬田へ一人来て埋めゆく母の真赤な櫛を
亡き母の真赤な櫛で続きやれば山鳩の羽毛抜けやまぬなり
トラホーム洗ひし水を捨てにゆく真赤な椿咲くところまで
わが切りし二十の爪がしんしんとピースの罐に冷えてゆくらし
江戸時代の東北の悲惨な生活を
なにひとつ解決しないまま
明治時代の富国強兵潮流に巻き込まれて
日清戦争から日露戦争に東北民は駆り出され
さらに第二次大戦での徴兵に駆り出されて
哀しみも恨みも解消する場所を持てずに
心と精神のなかに恐山をいくつも抱えつつ
廃れた文物のゴミ屋敷のようになっていくばかりの
昭和のニッポンジンの魂とからだを
『田園に死す』の頃の寺山修司は描き出そうとした
というよりカルチャー的イタコとなって
ニッポン霊たちの口寄せとなっていったものだった
そんな寺山修司の徹底的影響下に活動している
と思われる
ストロベリーソングオーケストラは
根暗系の正統の継承者と呼ぶべき見事な偏執ぶりで
おそらく現代日本のロックにおける最高のグループのひとつだろう
余の愛してやまぬ
真に心安まる
魑魅魍魎的激音の世界である
【MV】二十一世紀狂闘旗手/ストロベリーソングオーケストラ
https://www.youtube.com/watch?
臓物にジグソウ(MV)/ストロベリーソングオーケストラ
https://www.youtube.com/watch?
切断ダリア /ストロベリーソングオーケストラ【公式MV】
https://www.youtube.com/watch?