駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2011年9月17日土曜日
北極を後にして
ふつうの猫がふつうのおばさんに撫でられていた
星がひとつ出ている
夜になったのでぼくはまた北極まで歩く
北極はそこの露地をぬけた角にある
よく行く
行ったからといって角があるだけで
角をちょっと行ったり戻ったり
立ち止まって鼻先を拭ったりする
そうして帰ってくるのだ
北極を後にして
なんども行き来してみた角を残して
ふつうの猫がふつうのおばさんにまだ撫でられている
星がひとつ出ている
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