駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2024年12月20日金曜日
ブッダの肛門
›
禅の話では 「乾屎橛」というのが ときどき出てくる 大便をした後に 尻を拭うためのヘラだと 昔は言われ 「糞掻きべら」とも呼ばれて へえ どんなものだろうか? と 寺で修行していない人間としては 想像したりした 現代では いろいろな註を見ると へらのことではな...
街っていいなと
›
新宿駅 新南口 NEWoMan ニュウマン と読ませるらしいが ちょっと律儀に ぎこちなく読めば ニューオマン である ローマ字ふうに 馬鹿正直に読めば ネヲマン どっちで読んでも ヘン ニュウマン とは 読めないだろ とにかく で ともかく その...
後から後から押し寄せ続けるために
›
これが私の故里だ さやかに風も吹いてゐる 心置なく泣かれよと 年増婦の低い声もする あゝ おまへはなにをして来たのだと…… 吹き来る風が私に云ふ 中原中也 「帰郷」 中原中也の詩は 中学生の頃から好きだったが ときどき 俗なリズ...
2024年12月19日木曜日
ネスカフェの空瓶に湧かしたお湯を入れてきて
›
北極や南極を探検したアムンゼンには 子どもの頃 ずいぶんとあこがれた 子どものアムンゼンは 極地の寒さに耐えうる体を作ろうと 真冬でも寝室の窓を開けていた 子どもたちを奮い立たせる有名な話だが これをもろに真に受けて ぼくも冬の窓を開けて勉強した ノルウェーの...
萩原朔太郎の「悲しい新宿」
›
新宿を初めて見た時、 田圃の中に建設された、一夜作りの大都會を見るやうな氣がした。 周圍は眞闇の田舍道で、田圃の中に蛙が鳴いてる。 そんな荒寥とした曠野の中に、 五階七階のビルヂングがそびえ立つて、 悲しい田舍の花火のやうに、 赤や青やのネオンサインが點つて居る。 さ...
›
ホーム
ウェブ バージョンを表示