自由詩にはむかない
にっぽん語と
ぴちゃぴちゃ
浅い水たまりで
幼あそび
ぴちゃぴちゃ
定型詩にもむかない
にっぽん語と
ぴちゃぴちゃ
まだ肌ざむい無人の荒地でふたり
たったふたりで
ぴちゃぴちゃ
そこにしかない水たまりで
ごわごわした服だけ
ぴちゃぴちゃ
ざくっという感じで着て
戦場を逃げ出してきた子みたいに
ぴちゃぴちゃ
まだ人生の外にいる少年みたいに
名も知らない小さな
ぴちゃぴちゃ
むらさきやあおやちょっとあかいのや
雑草の花をむぞうさに摘んで
ぴちゃぴちゃ
でも
ていねいにまとめて
ぴちゃぴちゃ
だれかすてきなひとに捧げたいと
胸に握りしめて
ぴちゃぴちゃ
ときどきの風に身をすくめ
こころも震わして
ぴちゃぴちゃ
ぴちゃぴちゃ
大きな大きな土や石や岩や天空の
さなかにいる
ぼく
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