2011年9月17日土曜日

ぼく



自由詩にはむかない
にっぽん語と

ぴちゃぴちゃ

浅い水たまりで
幼あそび

ぴちゃぴちゃ

定型詩にもむかない
にっぽん語と

   ぴちゃぴちゃ

まだ肌ざむい無人の荒地でふたり
たったふたりで

ぴちゃぴちゃ

そこにしかない水たまりで
ごわごわした服だけ

   ぴちゃぴちゃ

ざくっという感じで着て
戦場を逃げ出してきた子みたいに

   ぴちゃぴちゃ

まだ人生の外にいる少年みたいに
名も知らない小さな

   ぴちゃぴちゃ

むらさきやあおやちょっとあかいのや
雑草の花をむぞうさに摘んで

   ぴちゃぴちゃ

でも
ていねいにまとめて

   ぴちゃぴちゃ

だれかすてきなひとに捧げたいと
胸に握りしめて

   ぴちゃぴちゃ

ときどきの風に身をすくめ
こころも震わして

ぴちゃぴちゃ

ぴちゃぴちゃ

大きな大きな土や石や岩や天空の
さなかにいる

ぼく

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