書いてもしかたないのに
海に蛍が飛ぶ
八十八夜のペン先は
プラスチックのままでいいの
白い帆が行く
リノリウムの青空を
音も立てずに
滑って
太陽も
月も
星も
東から昇ると見る間に落ちていく
西に
浄土があるかなぁ、たとえば「あな
た」なんかに
とっての
ないんじゃないのかなぁ、ホ
テルで深
夜に寝
ぼけて入ったフロ
ントの
近くの
トイレの
ペー
パー
な
んかみた
いに
な
んで
いつも
こんなふ
うに紙が切
れてんだ!と呟きなが
ら
気づくのは
どうも人生全般がいつもこんなふうだ
っていうこと
いつもここぞという時に脱力させようと仕掛けられているものがあって
それとの戦いだったような気はしないかい?「我」よ、
魂の妹*
*パステルナーク詩集『魂の妹』より
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