2012年3月21日水曜日

魂の妹



書いてもしかたないのに
海に蛍が飛ぶ
八十八夜のペン先は
プラスチックのままでいいの
白い帆が行く
リノリウムの青空を
音も立てずに
滑って
太陽も
月も
星も
東から昇ると見る間に落ちていく
西に
浄土があるかなぁ、たとえば「あな
た」なんかに
とっての

ないんじゃないのかなぁ、ホ
テルで深
夜に寝
ぼけて入ったフロ
ントの
近くの
トイレの
ペー
パー
んかみた
いに

んで
いつも
こんなふ
うに紙が切
れてんだ!と呟きなが
気づくのは
どうも人生全般がいつもこんなふうだ
っていうこと
いつもここぞという時に脱力させようと仕掛けられているものがあって
それとの戦いだったような気はしないかい?「我」よ、
魂の妹*


*パステルナーク詩集『魂の妹』より



0 件のコメント:

コメントを投稿