けっきょく世界はかわらない
に一票
人心はどんどん腐っていく
に一票
さてどうすべきか
などと考えずに
渭水に釣糸を垂れに行こう
しとやかに朝の雨は降り
道の塵は潤い
柳の木々は
やわらかに緑あざやか
古来変わらぬ
釣人の舟上の姿に
魚たちもあいかわらずの
水中の舞い
釣られなかったり
釣られたり
遠くに霞む岸や
山の麓のほうまで
舟にあたった小波の音も
ながく
ながく
渡っていくではないか
(こんなところで
(太公望らや文王らは
(まだまだ
(出会い続けていくかもしれない
いまの渭水は
中国でも飛びきりの公害の河
しかし岑參も
王維も
陸游も
歌い続けているよ
渭水東流去!
把酒何妨聴渭城!
勧君更尽一杯酒!
西出陽関無故人!
遠くに霞む岸や
山の麓のほうまで
ながく
ながく
渡っていく
言の葉の
心よ
渭水東流去!
渭水東流去!
その東の先で
渡ってくる言の葉を
すなどる
わたくしの耳
耳の心
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