2013年2月21日木曜日

昼を過ぎると急な疲れと眠気を…



昼を過ぎると急な疲れと眠気を覚えた。午後は予定がなかったので、少し眠ることにした。

短い眠りから覚めるとだいぶ疲れがとれていたが、なぜかコーヒーが一杯飲みたくてしかたがない。それも、家でインスタントコーヒーを淹れるのでなく、カフェのコーヒーが飲みたい。ちょっとケーキも食べたい。

となりにあるカフェでは、今日はどんなケーキがあるだろうと思い、着直した普段着のまま出かけた。古びたゴム草履をつっかけて、自分の部屋から通りに出る勝手口を出た。車が通れるほどの細い通りを渡ると、カフェだ。部屋で仕事をしているような時、夕暮れに灯るこのカフェのネオンサインが部屋の窓から美しく見え、借景になる。

カフェのケーキのショーケースにはいつもながらに色とりどりのケーキが並んでいるが、チョコレートケーキもある。ここのはとても旨い。これを頼むことにしようと決める。

席につくと、ウェイトレスが来る。外に面した厚いガラスに接する白いテーブルと白い椅子。ここからは家の自分の部屋が見え、玄関も見える。コーヒーとチョコレートケーキを頼む。

ケーキを覗きに出ただけなので、財布も携帯もなにも持っていない。取りに行ってこなければ、と思う。ウェイトレスに、テーブルに運んでおいてくれと声をかけ、通りを渡って自分の部屋に戻る。財布と携帯、薄い端末、軽いPCも皮の手提げバッグに入れる。部屋の窓からカフェを見ると、まだコーヒーもケーキも運ばれていない白いテーブルが見える。あそこに戻って、しばらく、今の気分から生まれてくる短文を書きたい。バッグを提げて、部屋のドアを開け、また通りを渡って、カフェのドアを開ける…

―と、目覚めたのは、カーテンを開けたままの寝室だった。カフェなど家のとなりにはないが、さっきまで見えていたカフェが、寝室を出ればすぐにそこにあるかのように感じ、寝室の外の廊下に目をやってみる。

もちろん、カフェなどなく、廊下があるばかりで、誰もいない午後の家の中の静けさがある。

それにしても、カフェとそれに隣接した自宅、その間を通る道の、なんとリアルすぎる感覚だったことかと思い、いずれ住むことになる住まいなのだろうか、それともいつか住んだことがあっただろうかと心にかかり続けるので、すぐに机に就いて、そもそものはじまりから短くたどり直そうと思い、書き出す、

「昼を過ぎると急な疲れと眠気を覚えてきた。午後は予定がなかったので、少し眠ることにした…



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