2013年9月13日金曜日

フランス語の思い出






                  Jamais la fin d'été n'avait paru si belle...
                                                 Barbara : Septembre



 
いつまでも
よくわからないところがあるけど
しかたなしに
ながくフランス語に
つきあってきた
そうせざるをえなかった
人生

ときどき
読むのも聞くのもやめて
ぼーっと
好きな単語を思う

アズュールazurとか
プレニチュッドplénitudeとか
好きだけれど
いちばんは
ランピッドlimpide
かな

澄みきった、とか
清澄な、とか
そんな
意味だけれど
べつに
意味はどうでもいい
limpide
とつぶやいて
ぼーっと
過ぎ越しかたを
見ている
目では
見えないというのに
心では
見え過ぎるというのに

けれど
オパックopaque
けっこう好き
不透明な、とか
ひかりを通さない、とか
そんな
逆の意味なのに

limpide
opaque

おなじことを
言っているようにも
見えて
ぼくのフランス語の
たぶん
ここらあたりが
終点

ああ
いっぱいの
フランス語の思い出

いっぱいのままで
limpide
opaque
とつぶやき
ぼーっと見ている
過ぎ越しかた

目では
見えないとはいえ

心では
見え過ぎるとはいえ









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