ながく続いていた冬がいつのまにか終わり
その後に続いていたべつの冬もいつのまにか終わり
その後に続いていたべつの冬もいつのまにか終わり
その後に続いていたべつの冬もいつのまにか終わり
その後に続いていたべつの冬もいつのまにか終わり
さらにその後に続いていたべつの冬もいつのまにか終わり
さらにさらにその後に続いていたべつの冬もいつのまにか終わり
省略するが
春夏秋についても同じようなぐあい
途絶えることのない波紋のようにひろがりながら押し寄せ続け
それらの終焉を確認するのもなかなか容易ではない
ある草原の中ほどの丘に
木の名前と狼の一種の名前を持った老人が住んでいて
幾晩か泊めてもらったが
波紋のように打ち寄せ続ける無数の季節の終焉を
確認するだけが彼の生涯だったと聞いた
老人から手渡された茶を飲みながら
わたしもそれらの波紋の打ち寄せの中に浸る
なぜか
老いている暇などない
肉体を超えた体をいつまでも鍛え維持し
世界のまだ見知らぬ土地を歩かねばならない
肉体を超えた体で!
超体で!
まだ!まだ!
と思え
波紋のように打ち寄せ続ける無数の季節の体!
しかも
確認するだけが
わたしの生涯なのではない!
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