この世は夢のようではなく本当の夢
たったひとつの意味もないので
心配することはないよ、思い悩む人たち
不幸だとつらく思う人たち
心身を損なって終焉へとずり落ちていく気分の人たち
本当にこれっぽっちの意味もないので
希望を持つのも無意味なら
得られたものを幸せに思うのも無意味
どんな豪奢な長い長い暮らしを夢の中でしても
醒めた時には幾らかの記憶は引きずったとしても
醒め切った時にはこれっぽっちの余韻も残っていない
抓れば痛い体があって経験している夢だといっても
夢の外でも抓れば体は痛いか、そもそも体があり続けるか
意味もなければ感情を右往左往させられる必要も
全くなかったと悔やみこそしないものの
あんなことが起こっていると思い込んでいたのだな
あんなことに真剣になってもいたのだなと
夢の退いていく間際にほんの少し思いながら
すべては音も立てずにもともとの姿に
なにもなかったという姿のままに消え去っていく
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