駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2013年12月9日月曜日
ニセモノのぼくが
なにかを言うたびに
一人称を使うか
隠すか
そんなことから考えなきゃいけないほど
不便な日本語
だから
海と山しかないところで
あるとき
なにも言わないで通してみたら
夕暮れには
暗いむらさき色の影になっているのに気づいて
それ以来
ずっと暗いむらさき色の影のまま
だから
いま十五行目まで来たこの書きつけは
ニセモノのぼくが書いているわけさ
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