玄米も蕎麦粒も鳩麦も
ときには
ネイティヴ・アメリカンが食べるワイルドライスも
以前は鍋でシンプルに炊いて
吹きこぼれないように
焦げないように
火の近くに居続けて
作ったものだったけれど
いつのまにか
炊飯器で玄米を作るようになっていた
水加減さえよければ
それでもうまく炊ける
機械の個性がわかってしまえば
コツと勘で
うまくやれる
圧力鍋は使ったことがなかったが
もっと調理が楽だと
人からは勧められていた
最近になって
若杉友子さんの本を見ていたら
米を焚くのには
圧力鍋はよくないとある
米の脂肪を酸化してしまい
成分を破壊してうまくなくなるのだという
だんぜん
土鍋で炊くのがいいのだと
炊飯器が悪いとは書いていないけれど
ならばと
いくつも余っている土鍋で
この頃は玄米を焚いてみている
四十分もしないうちにできてしまうが
火の近くにいたり
場所を離れても
ガス台の音に耳を澄ましている
こんなふうに
日々の食事を作りながら
若い頃をいっしょに暮した相手は
もう逝ってしまったが
玄米やワイルドライスを盛った厚手の器は
まだ壊れずにある
さんざん読んだ桜沢如一の本や
マクロビオティックの本も
本棚にはある
多忙すぎた人生が
それらをちょっと遠ざけたけれど
そろそろ
戻るべき頃あいか
買わされている生活*から
今度は
もっと意識して
はっきりと
距離をとっていく頃あいか
*若杉友子「こうして作れば医者はいらない」(祥伝社、2013 )、p.30。
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