2014年3月23日日曜日

とにかくクリームソーダが




孤独やさびしさはクリームソーダの色どりによく
ヤシの木から下りてきたポンスを
みじかい時間なら引きつけておけるだろう
やつが飽きてしまったら
それはそれ
またいつもの問題のぶりかえし
真夏の大都会の雑踏のなか
サングラスをちゃんとかけさせ
めんどうでないなら日傘もささせて
ジャンヌをやらせよう
しろっぽいワンピースを着せて
なにか人生に目的でもあるかのように
きびきびとしたはや足で
数十区画を廻らせればいいだろう
戻ってくる頃には
クリームソーダが溶けて温くなるように
わたしなど死んでしまっている
もちろん夜になれば生まれかわるから
はやまって葬儀など頼まないように
死体は放っておいてくれ
ラフマニノフの交響曲第2番の第3楽章でもかけて
夏の夕暮れを見守っていてほしいところだが
ただ風に鳴る鉄箸を響かせておいてくれるほうが
よほどいいかもしれない
とにかくクリームソーダが大事で
とにかくそういう時代なのさ
とにかく
とにかく





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