2014年3月14日金曜日

こんな不確かな星にすっかり感情を捨てに下りてきた来たぼくら

  

この世のことも
あの世(複数の。あまりに多量の幻想の。)のことも
もう覚えていない
ナズナの
若芽が出ていたよ

まるで春風のような(そろそろ
春、などという蒙昧な呼称もやめて
定義をし直そう、詩直そう、…)
大気の圧力落差を埋めようとする動きが
若芽たちを揺すっていきます

地の揺れまで駆けつけて
来る
来る
たしかな予感

大宇宙(という、あゝ、これもまた、
なんと曖昧すぎる呼称、…)に
やり直しのきかないことなんてないのだから
ひとつぐらい
地球(と黴のようなちっぽけな移動性生物に
ある時期から呼ばれ続けてきた星)が
永遠のねむりに就いたところで
だぁれも
困りもしない…
嘆きもしない…

こんな不確かな星に
すっかり感情を捨てに下りてきた来たぼくら
若芽だったのは
大むかしだけでなく
いまだってそうだったかもしれない
若芽のぼくら
若芽のぼくら
このナズナのように

この世のことも
あの世(複数の。あまりに多量の幻想の。)のことも
もう覚えていないよぉ
さわやかに
なんの役にもたたぬ摘まれ方を
いよいよ
していこうよ





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