懐旧語学
死んでしまった外国人の友たちを思い出しながら
あいかわらず外国語をゆるゆる学び続ける
生前は母国の言語として彼らが使っていたのだとしても
もう彼らにはなんの関係もない言葉
彼らとのコミュニケーションにももう必要はないし
そもそもコミュニケーションがもういらないというのに
まだ学び続けているわたしなんて
なんと酔狂なことかとも思う
ただ懐かしむためだけに
懐旧のために
学び続けるということもあっていい
懐旧学問とか
懐旧語学とか
そんな閑雅な時間を少しずつでもとりながら
この春も毎日毎日暮らしていく
一日
一日
くっきりと暮らしていく
ただ懐かしむためだけに
しかし必ず
この生を脱いだ後の
後の
後の
いっそう裸になっていくわたしのために
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