2014年4月5日土曜日

懐旧語学

 
死んでしまった外国人の友たちを思い出しながら
あいかわらず外国語をゆるゆる学び続ける
生前は母国の言語として彼らが使っていたのだとしても
もう彼らにはなんの関係もない言葉
彼らとのコミュニケーションにももう必要はないし
そもそもコミュニケーションがもういらないというのに
まだ学び続けているわたしなんて
なんと酔狂なことかとも思う


ただ懐かしむためだけに
懐旧のために
学び続けるということもあっていい
懐旧学問とか
懐旧語学とか

そんな閑雅な時間を少しずつでもとりながら
この春も毎日毎日暮らしていく
一日
一日
くっきりと暮らしていく

ただ懐かしむためだけに
しかし必ず

この生を脱いだ後の
 後の
  後の
いっそう裸になっていくわたしのために



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