2014年6月21日土曜日

一瞬の線香花火だよ



   

地球がなにか
探しているのか
うろたえているのか

ちょいと
立ち止まってビールでも飲んで行けと
声をかけている
顔のよくわからない動物

動物
であるかどうか
さえ
じつはよくわからない
やけに濃い
グリーンのパラソルの下

(みんな死期を気にしているのさ
(胸の中から腹にかかる重力と圧力のぐあいで
(それは計られるのだとさ

どちらに転んでも
なにを目論んでも
ニンゲンとかいうのは
物を壊すことしかできない
なんという因果
だなんて
嘆くのはおやめ

(そのために神様はお創りになったのだからね
(物たちを罰するために
(地球を罰するために
(ニンゲンを
(ね

がたがた考えるのは
やめ
おやめ
そう遠くなく逝くのだから
誰も主役でない劇が続くばかりの
くっきりした影が行き交う
この地球上からは

なにかを残したかったの?

いずれ太陽に飲み込まれるこの星に?
なにかのやりがいを?
いきがいを?
しかし今日も昨日も遠い戦地の虐殺に見向きもしなかったあなたが
わたしが
わたしたちが
いずれ降りかかってくる虐殺(なにかによって
                                             (なにによって
                                             (なににもよって
を避けられるとでも思ったりしているの?
助けてもらえるとでも思っているの?
見つめていてもらえるとでも思っているの?

だれから?
だれから?
だれから?
結局は宇宙から?
太陽から?
神という言葉や人造概念から?
わたしたち自身から?
空無から?

究極を問い怠けた者が宿命づけられる
究極の問いへの軽視
侮蔑
嘲笑

(嘲った者こそが滅びている…
(侮った者こそが滅びている…
(軽んじた者こそが滅びている…

顔のよくわからない動物よ

ビールはまだいらないけれど
やけに濃い
グリーンのパラソルの下
どうしょうもなく
所在無げにしている
マシュマロになったような快楽
わかっているはわからない
わからないもわからない

言葉でじぶんを確定しようとする愚者の群れが
ゆらゆらと
文明ごっこしているんだよ
文化ごっこしているんだよ

一瞬の線香花火だよ

ぱちぱち
ポトン
落っこちるんだよ
落っこちるんだよ
すぐに

思考…だなんて嘯いているよ
知性…だなんて嘯いているよ
理性…だなんて嘯いているよ
感情…だなって嘯いているよ
愛だの
情だの
…あゝなんといろいろなことを嘯くのが
好きな群れだよ

一瞬の線香花火だよ





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