2014年7月28日月曜日

アナタアナタアナタ


 
そいつら。俗衆といふやつら。
金子光晴『おつとせい』


  

武器も持たないガザのごくふつうの生活人への
あれだけの大規模な攻撃も虐殺も
それをイスラエル寄りに偏向してしか報道しない
世界中の
とりわけ日本の大手マスコミも
そもそも勝手にパレスチナ人の土地に侵入してきて
先住者たちを追い出し虐殺し続けたイスラエルの所業も
いくら憤慨したところで
しょうがない
どうにもならない

人間の本質とはこういうこと
国際社会の構造的な動きとはこういうこと
一国内でさえフクシマのごとし
会社内でさえ同じく
巨大な力をわがものにできるまでは


しかし、巨大な力をわがものにしたあとは
ソビエトや中国のごとし
ボルポトのカンボジアのごとし
なによりアメリカのごとし
あるいはローマ帝国の下僕だった国々さながら
アメリカに這いつくばって
属国でゴザイマスとシッポを振る
太鼓持ちのさもしい犬・自民党のごとし


で、どうする?
やっぱり、どうもしない?


食って寝て
適当に娯楽して
すっかり毒気の抜けたカルチャーしちゃったりもして
政権に正面からぶつかる労はとらずに

そこらから仕入れたネタでいっぱしの小利口な短評だけは吐き
不平も次々つぶやいては
コーヒタイムや晩酌タイムにしたりして
とにかく自分の今の居どころが
ガザでも
シリアでも
イラクでも
ウクライナでも
フクシマでもなくて
まだ良かったわいと思い
可処分所得がどんどん減らされていくサイクルへ
軍需頼み国家にどんどんなっていく方向へ
強引に与党が舵を切っているのは明々白々でも
本当にアブナクなれば誰かがなんとかしてくれるだろうと思い
どうせこの国が戦争するようになっても
兵隊に行くのは今チャラチャラしている若者たちなんだし

泣きを見るのは連中のノーテンキにしている親世代でもあるんだし
と思いながら
次の花火見物にウキウキしたり
暑い中でも手頃に楽しめるものはないかなと
仕事と生活で忙しい中でも
あっちこっちアンテナを向けて
都会人であり続ける情報だけは膨大に集め続けているだけの人に
なっている

アナタ
アナタ
アナタ





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