2014年7月30日水曜日

なぺなぺ有理




詩がひそひそと
しおしおと
鬱々と
ワタクシを吐露する
ふりをする
時代もあった

ワタクシの
垂れ流し方が発見され
流れに乗って
詩人たちが
オレのワタクシ
ワタシのワタクシ
アタシのワタクシを
あっちこっちで
吐露
吐露
していた
それだけでは鬱陶しいので
薔薇園を添えたり
海の風景や
嵐や
山や雲やと
描写も添えたり

そんな時代もあった
ということ
それだけのこと

いまも
詩人たちは
じぶんのワタクシを
うるさいほど
吐露
吐露
しているようだが
それほど
たいしたワタクシを持ってないので
うすっぺらの
ペナペナなワタクシなので
どこかのオジサン
オバサン
あるいは神経質娘が
ヘンなことばづかいをして
ひとりでイッテるように
見えるだけ

そんな時代もあった
ということに
なる
いずれ
それだけのことに
なる
いずれ

そんな時代なのだ
いま

ワタクシはぺなぺなでも
ワタクシのまわり
一ミリほど離れたまわりでさえ
ぺなぺなでは
ないかもしれないぞ

絶望するなかれ

ぺなぺなワタクシ
使いよう

ぺなぺな詩
いいんで
ないの

逆立ちさせれば
なぺなぺ

いいんで
ないの

なぺなぺ
理あり

なぺなぺ有理




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