駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2014年8月13日水曜日
吹かれに来る
岩と水のように元首を勤め上げて後
見渡すかぎり
いつも
空と海とが接し続ける地方に退いて
まるで人間のように
胸で呼吸をしたり
喉から声を出したりしていた
そこに足りなかったのは
非人間性だけ
風だけ
戻る
ということをするのに
十分な理由
誰にとっても
吹かれに来るのだ
面貌を
一変させてしまうほどの
風に
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