駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2015年1月8日木曜日
あれは誰だったのだろう
取り壊し中の家屋の窓が
黒々と大きな口のように開いていたので
通りがかりに立ち止まり
新年早々から覗きこんでみたのだが
奥に見える階段の途中に立ち尽くしていた娘は
あれは誰だったのだろう
いないはずの娘だとか
生きていないはずの娘だということなど
わかりきっているが
あれは誰だったのだろう
誰だったのだろう
ということばかりが
気になる
あれは誰だったのだろう
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