2015年3月23日月曜日

降りそうで降らなかった午後の果ての繁華なカフェに座り




ほとんどの人の価値観には共感できないし
だいたい興味さえないが
…と思いながら
降りそうで降らなかった午後の果ての
繁華なカフェに座り
大きな窓から街路の人の行き来を眺めている

座り心地のいい椅子ではないが
それがかえって座り心地いいのは
人生の諸事万端あれやこれやのようだ
どんな心地よさも
サービスのよさも
それが心地よさとして提供され
いいサービスとして提供された瞬間に
落とし穴をかかえてしまう
自分でそれを言うなよナと思う

ほとんどのカフェでは旨いコーヒーなど望めないし
うちで作る自前のコーヒーには達しないが
それも同じようなことか
ヤニ下がってコーヒーの専門家で御座いという
ろくな悪事も働いたことのないような若い店員などに
本来毒であるべきコーヒーなど出されたくはない
他人に商売でコーヒーを出すのは
少なくとも五十は越えてからにしてもらいたい
オマエらの青臭い不徹底な自我が
香りも味もすっかりダメにしてしまうんだよ

降りそうで降らなかった午後の果ての
繁華なカフェに座り
大きな窓から街路の人の行き来を眺めている
人生をあれこれ考えてなどいないよ
人生そのものの俺なんだ
しかも人生なんてとうに超えていて
まるで人間のようにカフェに座ってみている
遊んでいるのさ

幸せなんだよ、俺は
そうして決して
誰にも秘訣を教えてやりはしない
すべてのことのプロがそうであるように
タダで幸せの秘訣を教えるなんて
決してしない



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