駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2015年3月27日金曜日
すべての中にあるということの音
ながく河沿いを歩きながら
風の音でさえない
大気の大きな音というものがあるのを気づき直していた
耳が擦っていく空気の音ではなく
地球のすべてと繋がっている
すべての中にあるということの音
地球のすべてに自分の肉が続いているかのように
リンパ液が流れ出てまた戻ってくるように
どこまでも外部でなどない自分そのもののように
世界の中に世界の胎児のまゝであるのを
まあたらしく思い出させられるように
すべての中にあるということの音
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