駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2015年6月29日月曜日
躑躅の中の紫陽花
とうに花も終わり
厚い葉ばかりになった
躑躅の植込みの
鬱蒼とした夏の濃いみどりの中に
まるで異生物のように
紫陽花の花が
ふたつ浮いていた
花期を過ぎて
紫や赤紫を残しながらも
腐肉のような灰色への傾きが
ひと抱えほどの大きさで
ふたつ浮いていた
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