宮澤賢治のことを
賢治さん…
と心のなかで呼ぶことが多いけれど
賢治マニアたちのようには
賢治さんの詩
そんなに
好きなわけではない
ときどき見ては
あゝ
ふーん
んんん
などと思い
賢治さぁん…
などと呼びかけたりする
けっこうダメな
読者である
友人の
森荘已池に
禁欲がムダだったと告白した話を読んでも
そんなものかな
カラダを軽視すると
ムダな苦労をするものですよ
賢治さん
などと
呼びかけていたような気がする
「禁欲は、けっきょく何にもなりませんでしたよ、
「その大きな反動がきて病気になったのです
「何か大きないいことがあるという、 功利的な考えからやったのですが、
「まるっきりムダでした
「 昔聖人君子も五十歳になるとさとりがひらけるといったそうですが
「五十にもなれば自然に陽道がとじるのがあたりまえですよ
「みんな偽善に過ぎませんよ
「草や木や自然を書くようにエロのことを書きたい
賢治さんが言い残した
こんなことを読みながら
まァ
若かったってことだよね
賢治さん
と思っていた…
しきりに浮世絵を集めたり
エリスの『性学大系』を原書で読んだり
岩手病院の看護婦さんに恋したり
猛烈な性欲に襲われると
法華経を大声で朗唱しながら
牧場を一晩中歩きまわったり
若かったってことだよね
賢治さん…
エロのこと
生まれ変わって
書いたかな?
生まれ変わって
いっぱい
いっぱい
書いたかな?
賢治さん…
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