夜の7時頃から8時や9時
その頃には家にいません
ウォーキングに出ているから
大きな川まで出て
家々から離れた高い土手を長くながく
歩き続けているから
水だけを持って
さんざん汗をかきながら
ずいぶんな速さで
人の胸ほども雑草の生い茂った土手道の
闇から薄闇
薄闇から闇へと
歩き続けているから
四方八方が開けた
大きな川沿いの道を歩き続けていると
アタマの骨が上に向かって開いていくようなのが
ほんとうによくわかる
街にいたり家の中にいると
どれだけアタマが押し縮められているか
ほんとうによくわかる
四方八方開けていること
闇があたりを領していること
闇の中を行き続けること
雑草に囲まれていること
そんなことがどれだけぼくを復活させるか
ほんとうによくわかる
わずかな金を得たり
人界の世界観をちょこちょこと更新したり
小利口な知恵をつまみ食いしたり
そんなことだけのための
世の中相手の算段のあれこれ
しなければならないあれこれは
いつもいつも山積しているが
それらに取り掛かる前に
まずは早足で
汗をさんざん垂らしながら歩くことだ
闇から薄闇
薄闇から闇へ
アタマが骨ごと開いていくような
四方八方が開けた
重圧のあきらかに希薄なところ
ここを一時間も二時間も
まずは歩いてみてくることだ
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