駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2015年8月6日木曜日
すなわち内向きに埋めるように言葉を発し
牙もなく陽の移ろいのように滑りゆく悲劇
古代のものは望めずともせめて中世の日時計がほしいが
糸杉の蔭の動きで曖昧に時は知る
不可視の物が含まれるとはいえ多過ぎる所有物が
伸ばす腕の動作さえ重くするのだから
むしろこれでよかったかもしれない
時を時に聞く
私のことは私に聞く
すなわち内向きに埋めるように言葉を発し
しかも即座に散るように
なにも体には残らないように
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