こんなことがあった…
古い映画の中で
若い若い学生服姿の吉永小百合が
生き生きした顔のクローズアップを見せる場面
時代を経た今でも
それが驚くほど新鮮だったので
家で映画を見ながら何枚も写真に撮り
そのうちの良いものを選んで
トリミングに時間をかけ
ようやく一枚のスチール写真に仕上げ
スマホのLineで妻に送った
妻は青森に出張中だった
翌日帰宅した妻の言うには―
あの写真を受信した時
わたしは青森の映画館の前にいて
メールチェックをしていた
映画館では懐かしの昭和映画の特集をしていて
ちょうど昨日
よりにもよって
吉永小百合のその映画を上映していた
よく似た写真が映画館に飾られていたので
Lineにあの写真が送られてきた時
一瞬なにがなんだか
わからなくなった
あら、どうして
あなたに青森の一映画館の特集がわかるのかしら
どうしてその日の上映映画がわかるのかしら
どうして貼ってある写真がわかるのかしら
どうして似た写真を送ってきたのかしら
そうして妻は
Lineで私が送った写真と
映画館に貼られている写真とを見比べて
どういうことかしら
どういうことかしら
そう思い続けたのだという
こういう出来事を
たんに偶然の一致といって済まそうとするのにも
私はすっかり飽きてしまっている
こんなことが
たびたび起こり続け
いつまでも起こり続けていく生の中では
必然とか
摂理とか
そんな言葉のほうが
よほどしっくり来ると気づいているし
なんであれ
しっくりくるもののほうを
選んでいくべきだと
さすがに
よくわかってきてもいるのだし
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