2015年12月13日日曜日

これっぽっちの区別も

  
 やがて来る
 かなしい季節が
 恋人なの…
 松任谷由実 『晩夏』



たったひとりでいる時だけ
ひとりではないと気づいてから
じぶんで拵えた森
じぶんで吐き出した深み
じぶんで濾過し続けている静寂
そんな中に
こうして居続けている

たまに
感傷たっぷりのポップスなど
古い再生機でかけて
…でも
ちゃんと聞きもしないで
いつも
放ったらかして
湖まで
歩きにでちゃったりする

たったひとりでいる時だけ
ひとりではないと気づいてから
心臓も
脳も
なにもかも
透明にしておくすべが
わかり
湖のほとり
どこまで
じぶんで
どこから
夕べの気か
これっぽっちの区別も
つかないほど



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