2016年3月11日金曜日


雪が
ひょっとしたら降るかもしれないというので
時どきめくってみるカーテン
寒い夜気に窓は曇って
それを指で拭って外に目をやってみても
雪はちらちらとも降り落ちて来ず
夜の中にうっすら白い道路
闇ともいえないほどの町中の闇
道路標識は作りたての芸術作品のように
ずいぶんはっきりした形で立ち
細い木々や少し太い木々
たくさんの灌木は粘土のように固まり
わたしだけが目撃者となっている景となって
みんなで待っているのか
それとも一体となってか?
降るかもしれないと言われた程度の可能性の
雪を



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