このあいだも家の中で
部屋と部屋のあいだに立って
家人と話をしていたら
背後にある暗い畳部屋の
奥のほうのカーテンが
風もまったくないのに
誰かがつまみ上げたように
ゆっくりと持ち上がって
またゆっくりと下がり
元に戻って行った
背後のことだから
ぼくはそれを見なかったが
ぼくに向いて話していた家人が
ぼくの背後で起こった光景をつぶさに見ていて
あ、いまカーテンが…
という話になったわけ
こんなことがいろいろ
起こり続けるなかで
今さら糞リアリズムに戻れと言われてもネ
という話なんであるが
それにしても
風もないのにつままれたように持ち上がり
またゆっくり元に戻るなんて
なかなか見どころのある
カーテンじゃないか
少し古くなってきたから
猫や狐のように
そこそこの霊力でも
持ってきたのかもしれない
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