桜の飛鳥山も
ふらふら
ゆるりとひとまわり
宴の舞台では
民謡にあわせての
踊りの輪
そこから離れ
立ち止って
ちょっと見ている
花笠音頭がはじまると
となりにいたお爺さんが
急に踊りはじめた
杖を立てかけ
繊細に手先をひるがせて
なかなかの玄人っぷり
舞台まで行って
踊りの輪に
入ればいいのに
入りに行かず
離れた人通りのあるところで
きりっきりっと踊る
ちょっと変わった人とも
風狂とも見え
人はオヤッと避けて行くが
今年の桜を寿ぎ
若かった頃の姉や母とでも
結婚したばかりの頃の妻とでも
踊ってでも御座るのか
もう皆いなくなってしまって
ひとり身に皆を担って
踊ってでも御座るのか
きりっきりっと肩を切って
繊細に手先をひるがせて
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