2016年6月24日金曜日

もう面白くない



遠くのどこか
塔が見えるわけでもない
山もない

待つものもなければ
対話すべきこともない
相手もいない
自分とさえ
もう
対話のまねごとなどしない

ここらで
視線を
たとえば足元に落として
なにかの象徴のように
小さな葉を
描いたりしたかもしれない
以前ならば

今はもう
しない
そんなことをすれば
詩のようになってしまうから

沈黙
…などと
安易な単語を置くことも
もう面白くない

もう面白くない
…というのが
いい

いい批評拠点だし
たぶん
いい足の踏み場

われ面白がる故にわれあり
われ面白くない故にわれあり

いいんじゃないか?

もう面白くない
…と思う時
軽い死がある

軽い
軽い死だが
そこから再生する

再生は
つねに本物だぞ





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