けっきょく
なにも残さずに
はじめからいなかったように
いなかったこととして
いなかったものとして
去っていく…などと
おこがましくも劇的な言い方から遠く遠く
居続けて
居続けるけれど
いてもいなくても同じ居続け方で
けれど
けっして不気味な陥没味は出さずに
苛立たしい不在っぷりも漂わせずに
夕方の小蠅の
こっちからそっちに飛んでいく
かすかな影
せいぜいその程度の
いないわけでもなければ
いるというほどでもない
どうということの
なさで
0 件のコメント:
コメントを投稿