2016年12月20日火曜日

冬至



気温が下がってきたのだろう
背が急に冷えてくる
こんな冷えから思い出されることも
いくつもあって
記憶はつねに第二の宿命
体は動かずとも
万里を行く
生きているとはなにか
生きていない死があろうか
人々がスマホでアラジンを呼び出している
エメラルドタブレットのことを
もう誰も思わないのか
知恵が智恵のかたちを取らずに顕れる
冬至は最も暗い宇宙の果て
翌日はもう春が染み込み始める
考えたいことがまだある
もういいということがない
根本原理
寒いということはより寒いことより暖かいこと
論理の数々の流れ込む淀
固執しない
振舞い方にとうに達していたか
いなかったか
芹が食べたくなった
澄んだ鍋を
煮立て
宇宙論の先端の話でも聞きながら
ちょっと遠い目を
していたい



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