アスファルトの端の割れ目から
…あれはなんという草だろう
雑草と呼ばれてすまされてしまうはずの草が
ほそぼそと数本
人の脛ほどに伸びて
風に吹かれている
スマホをその低さまで下して
草の目線で道のむこうを
立ちならぶビルや他の建物のむこうを
あたりをつけて撮影してみた
だれかに見せるほどの写真ではないが
道路もビルも他の建物も
そして空も
なんと大きく見飽きないさまだったことか
近くに見えるアスファルトの
なんと頼りになりそうな
無骨な質感
無骨な質感
それでいて繊細な肌でもあることか
草たちはこんなふうに見ていたのかと
ぼくはあらためて
この限られた世界を見つめ直した
限られた世界だなどと
ぜったいに草は思わなかったであろう
この世界を
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