肌に
まとわりつき出した
夏の
はじめの空気よ
遠い時間のむこうから
いちばん最初の
風鈴を呼び
かき氷を呼び
昼日中の陽炎
ひまわり
サルビアも
ダリアの大輪までも
みんな呼び寄せ
いつのまにか
水辺の葦の藪で見つけた
金や緑の黄金虫に
じっと見入っている
ぼくに
またなっている
生まれて
まだ
十年も経っていない
ぼくよ
きみが見れなかった
きみ自身の背や
うなじを
いま
背後から
ぼくは見つめに行く
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