人に言いたくてたまらないことなど
放り出して
おけ
そうすると
やがて
静かな夕焼けなんかとともに
言いたかったことが
すっかりとまでは
消えてしまわなくとも
黙って暗がりに立ち尽している
人影だか
なにかのさびしさか
わだかまりかなにかのように
夕べの
それなりの風景になっていることに
気づかされたりする
もう青二才じゃないんだ
わかるよね
そういう
さびしさだか
わだかまりかなにかのように
立ち尽くしている影には
うっかり語りかけたりしないで
放っておくことが
大事
人に言いたくてたまらないことなど
放り出して
おけ
それが
すっかり淡くなった頃
はじめて
人がちょっと
耳を傾けたくなるようなことが
ことばとして
浮かび上がってくる
かもしれない
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