突然の雹になって
眩暈
穏やかな
ちょっと遠くの
吉井さん 麦原さん 岩角さん ついでに
広末さん
光はけっこう闇だよね
霜が首筋に白い虫のように凝集して
もう
杉浦さんはダメかもね
小（こ）神社とぼくら呼んでいた
あの畑の中の祠
ありますか、まだ？
夏の暑い時分
釘を地面に刺しっこして
ぼくらは占いをした
しあわせになるの、だあれ？
ふしあわせになるの、だあれ？
しあわせも
ふしあわせも知らずに
まるで
人生がこれからじぶんたちを待ってでもいるかのように
しあわせになるの、だあれ？
ふしあわせになるの、だあれ？
あゝ、松本さん…
大きな都市の大きな会社に勤めることになって
けっこう
いい結婚したんだよね
赤ちゃん
すぐにできて
そしたら
家族三人で避暑地の温泉に行って来た帰り
高速道路でぶつかって来られて
きれいに
全員即死しちゃった
松本さんが
いちばん通る声で
言ってたんだよね
しあわせになるの、だあれ？
ふしあわせになるの、だあれ？
人生
突然の雹になって
…そう
眩暈
の
松本さん
穏やかな
ちょっと遠くの
吉井さん 麦原さん 岩角さん ついでに
広末さん
生きてるかぁい？
まだ
だいじょぶ？
光はけっこう闇だよね
小（こ）神社とぼくら呼んでいた
あの畑の中の祠
夏の暑い時分
釘を地面に刺しっこして
ぼくらは占いをした
したよね
…だあれ？
…だあれ？
ぼくらだよね
みんないっしょに
まるごと
ぼくらだよね
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