コバルトブルー
に
ルビー
色
の
入っ
た
羽根
の
蝶
が
とある落ち着いた内装のシュメールレストランの
大きな客室を
ゆっくり
飛んでいる
あなたたちはウル第一王朝の創設を企んでおり
シュメール料理をつまみながら
時々
アッカド王国のいずれの創建などまで
はやばやと夢想している
古バビロニア王国の中所得層の
まだ存在してもいない男の精子に
あなたたちの誰かのDNAが必ず流れ込むはずだが
その精子から生まれた子の
そう長く続かないことになる家系の最後の女子には
ヒッタイトの荒くれ者に強姦される運命を負わせようと
(誰だろう…)
企んでいる者がいる
ともあれ
メソポタミアの今日の夕暮れは
混沌たる未来を思わせ
マーブルのような赤やオレンジや紫の色の絡みあい
ペロポネソス戦争の頃には
もう地上から消え去ってしまっているだろう
麦とブドウを巧みに混ぜあわせた
奇跡的な配合の酒を啜りながら
わたしたちは
まだ
歴史の曙に
居る
ということだろうか…
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