2018年2月13日火曜日

草鞋を穿いたお地蔵さん




そのお地蔵さんは草鞋を穿いているというが
見てみれば
石づくりの新しめのもので
どうということもない
芸術性にも乏しいお地蔵さんである
人寄せのために寺が仕組んだものなのが
すぐにわかる

草鞋を穿いているから
お地蔵さんのほうから歩いてきてくれる
という触れ込みだが
お地蔵さんなら裸足でも歩いてきてくれるだろうし
そもそも浮遊してきてくれるかもしれない
なにに信心を持つのも勝手だが
まずい屁理屈をつけて
人寄せを狙う寺のもくろみが侘しい
寒心吹きすさぶ現世で
純朴な人びとの心に付け込んでの
こんな所業をあちこちに見るものだから
いっそう心は寒々しくなってしまう

さあ
こんな心の寒さを
どうやって温めたものか
こんな書付けを
また始めたりする
せっかくお寺さんが人を助けようとして
草鞋を穿いたお地蔵さんの話を拵えたというのに
また人に煙たがられるかもしれないが
お地蔵さんの話は
それはそれでよくても
いかにも俗世臭ぷんぷんの
人に媚び切った住職の法話や
入山料に500円
お守りに500円
お礼参りにまた500円
などと課金してあるのを見れば
おいおい
本当の仏道というのはさ
などと
ぶつくさ言いたくも
なってくるというもの



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