そんなんじゃねえよ、ぜんぜん

 

詩ってなにさ

って聞いてくるから

人類にむかって

バ～カァ～

って言い続けてやることさ

って教えてやったら

泣いてやんの

誰や

彼やにむかって

バ～カァ～

って言うのとは違うぜ

どいつもこいつも

バ～カァ～

なのさ

平和平和とか言いながら

誰も本気で

戦争を止めようなんてしないのさ

優しさが大事とか

正義のためにとか

言うだけはいくらでも言うが

あそこのホームレスさえ

誰も助けようとしないんだ

低賃金で咳き込んでいる場末の姉ちゃんに

おう

俺が賃金上げるように怒鳴り込んでやる

なんて

どのサラリーマンも意気込みゃしないのさ

そんな連中が

平和だとか

核兵器反対とか

口じゃ言うんだ

だんだん口でも言わなくなったがな

世界じゃ

もっと手の込んだやさしさごっこが

まぁ

お上手お上手

お盛ん

お盛ん

だけど

しょせんイエローモンキーだろ

って扱われるのさ

黄色人種だろ？

価値低いだろ？

そもそも人間だったか？

極東の島に引っこんでろ

フジヤマゲイシャぐらいなら見に行ってやるぜ

せいぜいオモテナシしやがれよな

って

それがホワイト連中の本音だ

甘くねぇぞ

ホワイト人種は

よくよく忘れないようにしとけよ

って

って

言わなきゃならない人類の数万年、数十万年の現状だ

そんな人類にむかって

バ～カァ～

バ～カァ～

バ～カァ～

バ～カァ～

って

なにもかもひっくるめてバカにしくさって

言い続けるのが

詩

お文化とか

たしなみとか

心の慰みとか

そんなんじゃねえよ、ぜんぜん