なにを思おうと
言おうと
ありきたりの
あたり前のことばかりを
思うほかなく
言うほかなく
うんざりしてしまう
情けなくなってしまう
たとえば
わたくしは今
なんとモノに溢れかえった中にいてしまっているのだろう
と慨嘆しようとしているのだが
モノとはもちろん
いつか誰か他人が拵えたものであり
その場合は
そのモノを拵えた人が
じぶんの想念にあわせてモノを構成していったのであり
となれば
モノに囲まれているということは
拵えた人の想念に囲まれているということであり
もちろん
想念がそのままスムーズに物質化されたわけではなかろうから
スムーズにいかなかった部分もたくさんモノには含まれ
事故や不満や不完全さや
よきものとしての偶然さえもが
モノには溶け込んでしまっているはずで
そればかりか
ちょっと古いモノの場合は
たいていは
拵えた人たちは死んでしまっていたりもするので
ようするに
死者たちの想念に取り巻かれているということになり
図書館のたくさんの本が
死者たちの墓碑であるように
わたくしは
あまりといえばあまりにもたくさんの
墓碑の中に埋もれて
埋もれたまま
じぶんは生きている
などと
漠然と思いながら
わたくしを
続けていることになるのだが…
このようなことも
ありきたりの
あたり前のこと
死者たちの想念に取り巻かれ
それらに埋もれて
生きている
などと
思うほかなく
言うほかないことに
またもや新たに
うんざりしてしまう
情けなくなってしまう
またもや新たに
またもや新たに
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