2018年3月5日月曜日

「もうも」あるいは「じぶぶじげ げじぶぶじ」



なによりも音楽を…
ポール・ヴェルレーヌ


じぶんの並べた単語の列をたまにふり返ると
口調をあれこれ替えたつもりでも
どこか同じ口ぶりの並べかたや改行のしかたになっているのが見え
心底がっかりしてしまう
本当に落ち込んでしまう
じぶんの口ぶりや語り方や感じ方や考え方から逃げよう
逸脱しよう
二度と戻らない永遠のことば旅に出てしまおうとして
単語を起き続けているというのに
もう何年も
ひょっとすると何十年もかわらない
いつも同じ壁の間を進む流れるプールの中に居続けているかのよう

文体はなによりも侘しい
単語置きだけでなく
生活でも人づきあいでも
ちょっとした休息のしかたひとつとっても
すぐに文体ができてしまう
それはそれでしかたがないがそれを脱ぎ捨てようとしないで
そのまま垢のように溜め続けてしまう醜さが嫌
文体があると評されて喜んでいる人たちの気持ちが全くわからない
墓碑銘の下にちゃんと収まっちゃったね
と言われているようなものなのに

そこで
この場に居ながらにして
ぼく
はまずBとでも自称し
ときにはわたしのWとでも自称し
この今回の文字並べの第一連をこんなふうに壊すことからでも
始めないといけない


壊し1(漢字削除)

じぶんべたのをたまにふりると
をあれこれえたつもりでも
どこかじぶりのべかたやのしかたになっているのがえ
がっかりしてしまう
にちんでしまう
じぶんのぶりやりやじやえからげよう
しよう
とらないのことばにてしまおうとして
をきけているというのに
もうも
ひょっとするともかわらない
いつもじのをむれるプールのにけているかのよう


参考1(漢字のみ)

並単語列返
口調替
同口並改行見
心底
本当落込
口語方感方考方逃
逸脱
二度戻永遠旅出
単語起続
何年
何十年
同壁間進流中居続


壊し2(壊し1から濁字を削除)

んたのをたまにふりると
をあれこれえたつもりも
こかりのかたやのしかたになっているのえ
っかりしてしまう
にちんでしまう
んのりやりややえからよう
しよう
とらないのことにてしまおうとして
をきけているというのに
もうも
ひょっとするともかわらない
いつものをむれるプールのにけているかのよう


参考2(壊し2で削除した濁字のみ)

じぶべ
どじぶべが
じぶぶじげ


壊し3(壊し2の各行逆転)

とるりふにまたをのたん
もりもつたえれこれあを
えのるいてっなにたかしのやたかのりかこ
うましてしりかっ
うましんちに
うよらかえややりやりのん
うよし
てしとうおましてにとこのいならと
にのういとるいてけきを
もうも
いからわかもとるすとっょひ
うよのかるいてけにのループるれむをのもつい


参考3(参考2+各行反転)

じぶべ     べぶじ
で         で
どじぶべが どじぶべが
が         が
で         で
じぶぶじげ げじぶぶじ
ば         ば
じ         じ



ちょっと これで
いやな きらいな 単語ならべから 逸れ
られ
感じ

今回のこれ この試みは 
壊し3の10行目から取って
もうも
と名づけておく
参考3の
じぶぶじげ げじぶぶじ
けっこう気にいった音の並びなので
これも合わせよう

題して
「もうも」あるいは「じぶぶじげ げじぶぶじ」




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