2018年5月19日土曜日

あかるい宇宙に

 

すこし風のある日で
ときどき強く吹き過ぎることさえあって
草はらのわきの道を行く時には
今の初夏の時期の草ぐさがぶつかり合されて
草の歌を歌わされ
竹の繁る小山のわきでは
竹の葉のそうそうと鳴るのが降ってくるようでもあり
あたりの空気のなかに漂っているようでもあった
草はらの草ぐさの揺れ続けるのを見るのも
竹の葉のちらちらと点滅するように震え続けるのを見ても
まさに今を作る動きのクライマックスで
こんなふうに今を見聞きできて
今を生きさせられていて
陶然としながら
風の日の豊饒のなかを
今ここのたったひとりの証人として
あかるい宇宙に足を進めて行った



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