眠いのでどこまでも行く列車になる
足たちが湯から上った頃
おや、だれの幼年時代だろう、あんなに大きく手を振って
ぼくを呼んでいる
いっぱいのひまわりを抱えて入水した女の人の伝説が
ずいぶんながいこと忘れられていたので
これからもっともっとひどい水害がやってくる
これまでのように生きるのをだれもが諦めるまで
土地や山野や河川の神々はやめない
だれがこの世の主役かわからせるまでやめない
生き残った人間たちはたゞたゞ眠くなって
水や泥が胸元にまで来てももう起きることはない
だれが悪かったというのでもなく
人間が悪かったのさ
人間であるということが
0 件のコメント:
コメントを投稿