月給取りの午休み、ぷらりぷらりと手を振つて
あとからあとから出てくるわ、出てくるわ出てくるわ
中原中也 「正午 丸ビル風景」
水面は暗くて
黒く見えるほど
都会の
ビルの谷間を
縫っていく
川
もう晩秋なのに
それが
きょうはまぁ
なんていい陽ざしの
あたたかい日
いいお日和で…
なんていう言葉は
こんな日の
ため
黒く見えるほどの
都会の
暗い川をはさむ
ビル
ビル
ビルの並びが
きょうは
陽の反映を受けて
きらきら
きら
きら
特別なショーのよう
ビジネスマンたちも
ちょっと
目を奪われ
急いで行かないといけないところがあるのに
ちょっと
歩みを遅くして
陽ざしのキラキラショーを
見続けてしまう
ビジネスマンというより
サラリーマン
というほうが合いそうな人たちも
会社員
というほうがもっと合いそうな人たちも
雇われ人
というほうがさらにもっと合いそうな人たちも
みな
ちょっと
歩みを遅くして
陽ざしのキラキラショーを
見続けてしまう
0 件のコメント:
コメントを投稿