駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2019年2月5日火曜日
あまり個性のなかっただれか
春めいてくると
冬は
秋と春とのすきまの
あまり個性のなかっただれかのようにも
思われてくる
このだれかは
少女だったろうか
かなり年増の女だったろうか
それとも
もう老年に入った男だったろうか
青果店の店頭に
蕗の薹や
菜の花や
たらの芽など
並ぶのを見ながら
今年もたぶん
思い続けるにちがいない
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