2019年4月15日月曜日

そこは雑草のことゆえ



この頃はヴェランダに置いてある薔薇の
ピエール・ド・ロンサールの鉢も
あまり雑草取りはしなくなって
それは怠惰から来たものではあったけれども
だんだんと
わざと雑草を除かなくなった

四月に入って
ヤブタビラコらしい草がつつっと茎を伸ばし
小さな黄色い花を付け
雑草ながらに
というか
雑草だからこそ
というべきか
けなげに
したたかに
風に吹かれながら立っている
ひょっとしたらノニガナだろうか
とも迷うが
葉の付き方から見て
やはりヤブタビラコなのだろう

花が咲き終わるまでこのままにしておいて
種になる前に除くつもりでいる
そこは雑草のことゆえ
鉢の主人のピエール・ド・ロンサールに
空間と水と養分を譲ることにしてもらいたい
繁殖の邪魔をしてしまうことになるが
そこは雑草のことゆえ
心配はいらない
これから来る初夏や真夏や秋に
ヴェランダや鉢の管理人たるわたしの知らぬ間に
いくらも種子は飛んできて
つぎつぎ細長い緑うつくしい茎は伸び
つぎつぎ黄色い花を咲かせるだろうから




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