2019年8月23日金曜日

新しいのに手放された本たちはやはり


  
BOOK OFFはいちばん厭なところのひとつなので
めったに入らないが
ある駅の近くの大きな店舗にちょっと入ってみた

きれいに整理されているし
いま注目の本も特別コーナーにまとめられており
店員もきびきびしていて
そこのところは
怠惰な古本屋とは違う雰囲気がある
悪くない

しかし
厭ぁな感じはすぐに気持ちの中に染み渡ってきて
(あゝ、これだ
(この感じ
(店としてはここはまったく悪くないのに
(これはどこから来るんだろう?
思いながら
棚から棚へと沿って歩いて行く

3階まである店内の
ほぼぜんぶを歩きまわってみたが
吐き気が本当にしてきたので
出ることにした
いろいろ考えてみたが
厭ぁな感じになる理由はわからずじまいだった

オフィス街の駅前だからか
それにしても
たくさんのビジネス書の新刊本の古本がいっぱい積まれている
新刊書店にもまだ棚積みされている本が
ここでは一度誰かに読まれて手放された古本として積まれている

新しいのに手放された本たちは
やはり
独特の吐息のようなものを発するのか
ひょっとしたら
それに当たってしまうのか……




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